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以前のHPで、2004年2月~2006年10月まで綴った三人の日記です。
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★11月10日(水) 納棺 HIOKING

かほる先生の納棺に行ってきました。

稽古場の玄関にあかね先生がいた。

あかね先生は誰よりもよく動き、いつもよりよく喋っているように見えた。

まあ、もともとよくお喋りされる人ですけど。

かほる先生は綺麗な稽古場にお布団しいて寝ていらっしゃいました。

葬儀に参列できそうに無いので、わずかな金額しか入っていない香典袋をもぞもぞと出して、お線香をあげて、手を合わせる。

近しい人から順番に湯飲みに入れたお水を棒にくくりつけた脱脂綿に含ませて、先生の口元へ運ぶ。

仏様はお水を欲しがるのだと葬儀屋が言う。

私の順番が回ってくる。

こういうとき、へんな緊張をするのは私だけだろうか。

冷静な自分の緊張とただこみ上げる哀しさとが同居して、不思議な状態になる。

そのとき冷静な私が初めてお顔を見て思った。

「先生ってこんな顔だったかな。」

同時に冷静じゃない自分がクッて声を漏らして目頭をあつくした。

水を口元へ運ぶ。

なるべく優しく。

脱脂綿→棒→指先という経緯で微かに先生の固くなった唇の感覚が伝わってきた。

そうか、死ぬとこんなに固くなるんだ。

死後硬直って言葉は知っているけれど。

私は死んだ人に触ったことが無い。

直に触ったら、冷たいと聞く。

どのくらい冷たいんだろうなんて思う。

春におばあちゃんが死んだと知らせを受けて帰郷したときは、もうすでにおばあちゃんは棺に納められて祭壇にいた。

もっと早く帰ればよかったと思ったもんだ。

間に合わなかった巣鴨の観音様の像が棺に入れられ、火葬したら跡形も無く消えていたのが、よけい情けない気持ちにさせた。

皆が先生にお水を運び終わると、アルコールで先生の体や顔を拭いた。

布団をめくると、血の気をなくした足先がツーンと伸びていた。

これも死後硬直かな。

葬儀屋が、お化粧しなおしましょうというと、姪御さんが化粧を始めた。

「ほとんど化粧なんてしない人だったから。」

何度もおんなじこと言いながら化粧をしてあげていた。

会場の皆が、黙って見つめながらそれをちゃんと聞いていた。

私も化粧しないから、死んだら同じこと言われながら化粧されるんかな。

一体誰がやってくれるんだろう。

脚絆や六文銭の入った袋など先生の旅支度をして、せいので棺に移された。

手を合わせて、終わった。

先生の稽古が終わったときみたいに足がしびれて、立つのがやっとだった。

先生が笑っているだろう。

先生、どうもありがとうございました。

ありがとうございました!!!!

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